ほこり日誌

エジプトは、漢字で「埃及」と書きます。

エジプト・カイロの新しい空港、スフィンクス国際空港(SPX)の使い勝手や注意点!

どうもご無沙汰です。

色々とネタを探しながら生活しているつもりですが、そうそうおもしろいことなんて転がっているものじゃあないですよね。そんな理由で、しばらく『ほこり日誌』から遠ざかってしまっていましたが、久々の投稿を。

今日は、カイロに新しくできたスフィンクス国際空港を利用しましたので、その様子をまとめておきます

エジプトは、必ずしも秩序だった国ではないので、現場に行って大きな落とし穴に気づくこともしばしば……。新しい場所に行くときには、事前に情報収集したくなりますよね。ということで、役立つ気付いた点等もまとめておきましたので、皆さんの参考になれば…!

スフィンクス空港とは?

スフィンクス国際空港の全景

スフィンクス国際空港(空港コード:SPX)とは、これまでのエジプトへの玄関口、カイロ国際空港の混雑緩和と、今度こそそろそろオープンすると言われている、大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum, GEM)への訪問客の便のために新しく作られた空港です。

ちなみに、2018年にオープンすると言われつつ、結局本格的に定期旅客便が就航したのは2022年……。まぁエジプトにしては、コロナを挟みつつ4年の遅れというのは、かなり善戦した方なんじゃあないかと思います。

この、スフィンクス国際空港は、6th October市やシェイク・ザーイド市(El Sheikh Zaid, الشيخ زايد)の裏手あたりにあります。ちょうどナイル川を挟んで、カイロ国際空港と正反対の位置にあり、いずれもUber等でカイロ市内にアクセス可能です

航空便の運行状況

現在のところ、Wizz AirやeasyJet、flynasなど、欧州・中東を中心によく見かけるLCCが、1日10本程度就航しています

就航先は、ミラノ=マルペンサ(MXP)、ロンドン=ルートン(LTN)、ローマ=フィウミチーノ(FCO)、イスタンブール=サビハ・ギョクチェン(SAW)、アブダビ(AUH)等で、旅程の組み方によっては、LCCの低価格と相まって、選択肢の一つになるかと思います。

また、チューリッヒやコペンハーゲン、フランクフルトなど、新規就航が複数アナウンスされているので、今後の利便性向上に期待です。

空港への/からのアクセス

カイロ国際空港と同じく、スフィンクス国際空港には、鉄道アクセスがありません。また、カイロ国際空港は、めんどくさい思いをすれば、路線バスで脱出することも可能なのですが、どうやらスフィンクス国際空港には、路線バスも通っていないようです。

ということで、空港へのアクセスは、往復ともUberが基本になります

ターミナルは1つしかないので、そのままUberに、Sphinx International Airportと入力すれば、問題ありません。

ちなみに、空港へ行く場合は問題ないのですが、ちょっと空港が辺鄙なところにあるので、カイロ市内へ出る際は、Uberが捕まりにくかったり、捕まってもキャンセルされることがあります。そんな場合でも、そのうち誰かが必ず来てくれるので、根気よく待ちましょう

余談①:絶対にUberを使いましょう

なお、これはカイロ国際空港でも同じですが、空港へのアクセスには、個人的には絶対にUberをおすすめします

確かに、Uberの他にも、DiDiやinDriveなどの配車アプリがカイロでは使えますし、料金が安いことが多いです。しかし、私調べでは、Uberのみが、唯一、空港に至るまでの有料道路や空港への車の入場料等も含めた金額を計算してくれるので、料金トラブルに遭いにくい!圧倒的におすすめです。

inDriveやDiDiだと、最後の最後で、入場料金はどっちが払うのかで、運転手と大揉めすることがあります(私は、複数回あります……)。

逆に、Uberを利用した際に、追加料金の支払いを求められたら、きっぱりと断り、必要があれば、ヘルプボタンから運営に問い合わせましょう

余談②:空港へ行くときは、予約がおすすめ

Uberには、未来の日時を指定する予約機能がついています。

エジプトの運転手は、一度受けた依頼でも、割とカジュアルにキャンセルしてくるので、結果としてなかなか車が捕まらず、焦ることがあります

特に、飛行機はのがしたら終わりですから、ちょっと追加のサービス料は取られますが、是非予約機能で車を事前に手配しておきましょう。経験上、予約しておいた場合は、時間ぴったりか、何なら少し早いくらいに来てくれます。

館内設備

国際線にしか乗っていないので、以下は全て国際線ターミナルの様子です!国内線ターミナルは、また違った様子かもしれません。

入口・チェックインカウンター

カイロ国際空港と同じく、空港に入る前(チェックインカウンターに入る前)と、チェックイン後搭乗口に向かう前の2回、保安検査があります。時間ギリギリの時間に空港に着くと、保安検査が並んでいると、チェックインカウンター目前にして、締切時間に間に合わず…ということもあり得ますので、早めに着くようにしましょう

しかし、一方で、(将来はもっと拡張されるらしいですが)現在は、発着ともにターミナル一つだけの、小さな地方空港のような様子でした。ので、早めに到着して、空港でゆっくりする、というのは避けた方がよさそうです。

また、混雑緩和のためか、出発便の時間よりも極端に早く空港に着いた人は、最初の保安検査の警備員に止められ、空港に入れてもらえていませんでした(私は、2〜3時間前に到着しましたが、その程度であれば入れてもらえます)。

なお、国際線ターミナルには、保安検査前には、一切、売店・カフェ等はありませんでした。

保安検査後

待合スペースは広く、椅子も十分にあります。もちろんトイレ等も清潔ですが、コンセントはなし……。

代わりに(?)、カフェが何軒か営業していました!カフェ店内には、コンセントがある座席もありました。

営業していたカフェのうち一つ

デューティーフリーは、まだオープンしていないようで……今後に期待ですね。

未オープンの売店……

入国ビザ

※下記は、2024年8月現在の情報です。最新の情報は、ご自身でエジプト大使館等にご確認ください。

さて、エジプト入国にあたっては、査証(ビザ)が必要です。事前にオンライン上でeビザを取得するか、もしくは、空港到着後に、アライバル・ビザを購入することができます。いずれも25米ドルです

到着後にアライバル・ビザを取得の場合、スフィンクス国際空港でも、カイロ国際空港と同じ手続きです。入国審査カウンター前に、何個か銀行の窓口があるので(24時間営業)、そこに25米ドル(現金のみ、お釣りなし、折れたお札は受け付けてくれない場合あり)を手渡すと、ビザシールをくれるので、パスポートに貼れば入国できます。

eビザの場合は、事前に、このサイト(https://visa2egypt.gov.eg)から必ず取得してください。これ以外のサイトは、詐欺(もしくは詐欺まがい)ですなんだか、サイトの動作が不安定で、使いづらいのですが、とにかく記入し、クレジットカードで同じく25米ドルを払えば、ビザが取得できます。念のため、支払い後にもらえる確認状を印刷して持っていくと良いと思います。また、時間に余裕を持って申請するようにしてくださいね。

航空券の検索方法

スフィンクス国際空港もできたばかりですし、現在のところ、大カイロ都市圏には、IATA都市コードが振られていません。

都市コードってのは……その…例えば、東京には、都市コードTYOが振られています。ので、航空券を検索するとき、東京全て(TYO)というコードを使えば、羽田と成田の発着便を、同時に検索することができますよね。それが、カイロにはありません。

というわけで、カイロ国際空港(CAI)とスフィンクス国際空港(SPX)の発着便は、それぞれ別に検索してあげて、安い便を選んで利用する必要があります

また、言わずもがなですが、LCCの荷物制限は、いかついところが多いので、予約の際には注意してくださいね。

それでは、みなさん、良い旅を〜。

エジプト・カイロでレコード屋巡り(レビュー)

こんにちは。

時に、私は、何かの間違いでエジプトに来てしまう前は、下北沢の近くに住んでいました。最近はなんだか綺麗な街に成り果ててしまいましたが、それでも「カルチャー」の集まる街。何か下北沢っぽいことをしなければという謎の義務感から、当時は、レコードをちょくちょく集めていました。

で、そういうシモキタ風土病にかかっていたので、そのままの勢いで、間違えてレコードプレーヤーをエジプトに持ってきてしまいました。すると、アラブ音楽レコード、買わないわけにはいきませんよね???

そんなわけで、4店舗もカイロでレコードめぐりをしてきたんで、そのレビューを。

全体的なエジプトレコード事情

そもそも、全店舗そうだったんですが、レコード、全体的にめちゃくちゃ高い上に、盤面の状態もいまいちですね。とりあえずエジプトの音楽をと思って、20世紀の有名なエジプト人歌手ウンム・クルスーム(أم كلثوم)のレコードを中心に探したんですが、結構盤面に傷ありでも1枚6000はくだらない感じでした。高いと万単位でする。

まぁ、古いレコードだったのは重々承知の上なんですがね……。

あと、ここ最近の全世界的なレコードブームに乗っかって、新譜も出てはいるようなんですが、かなり数は限られていそうな雰囲気でした。日本とか欧米ほどではない。

まぁ、記事が始まる前からなんですが、正直エジプト、あんまりディグるのには向いてない。まぁそれでも、どうしてもエジプトでレコードを探さないといけない人の参考になればと思い、数少ないレコードショップをご紹介します。

マーディー(Maadi)エリア

Sherry's Vinyl Maadi店(おすすめ度★★★)

4店舗中、ここだけちょっと離れているんですが、めちゃくちゃ良い。

なにがいいって、店員が良い。こぢんまりした店なので、店員は一人だけなんですが、そのおっさん自身がレコードオタクって感じ。レコードの知識もしっかりあるし、アラブ音楽にも詳しいし、相場とかも良くわかってる。適当なおすすめを頼むと、ちゃんといろいろカウンセリング?ヒアリング??してくれて、ちょうどいいやつを探してくれます。

次に紹介する、Zamalek店とは系列店舗のはずですが、個人的には店員のサービス差でMaadi店の勝ち。まぁでも、Maadi店をあえて悪く言えば、ゆっくりいっぱい視聴して買いたい人には、若干気忙しい店かも。品揃えはどっこいどっこいでした。

メトロのマーディー駅から徒歩圏内。でっかい看板があるので、すぐにわかります。

店の看板。ここから半地下に下ったところにあります。

ザマーレク(Zamalek)エリア

Sherry's Vinyl Zamalek店(おすすめ度★★)

さて、さっき紹介したSherry's Vinylの別支店。ザマーレクでは、一番上等なレコード屋だった気がします。

ここの店員は、色々質問してみても、あんまりはっきりした返事は帰ってこなかったんですが、良くも悪くもほったらかしだったので、自分で自由に心ゆくまで視聴できました。耳に絶大な自信があって、自分でゆっくりレコードを選びたい人はこっち

値段と品揃えは、おんなじようなものでした。まぁ、系列店なんで当たり前ですが……。

なんか場所がわかりにくいんですが、若干入るのに気後れする、デカめの雑居ビルみたいなのの1階にあります。その辺の人に、Google Map見せて大騒ぎすれば、多分教えてくれるはず。

Retrograde Records(おすすめ度★★)

なんかおしゃれな店です。レコード以外にも、何の役にも立たない古いカメラとかのアンティークも売ってました。

で、肝心のレコードですが、悪くなかったんですが、Sherry's Vinylと比べると若干品揃えが劣るかなってのと、店員が、バイトなのかもともとそういうやつなのか、私が行ったときは、めちゃくちゃ接客適当な若いお姉ちゃんでした。良くない。

プロは、気にしないかもしれませんが、私はまだまだペーペーなので、色々店の人の意見を聞いたりしてレコードを探したい。よって、星2つです。

路面店なので、Google Mapを信じて歩けば、すぐに見つかります。

Mazzika Zaman(おすすめ度★)

最後にもう一個だけ。

ちょっとここだけ毛色が違いました。店内も全然おしゃれ志向じゃなくて、レコードもがさつに積まれてるって感じ。

そういう店の方が掘り出し物を見つけられるのかもしれませんが、まぁ〜〜私は、アラブ音楽を探すという趣向だったので、ちょっと使いづらかったです。アラブ音楽知識、全然ないんでね……。

2個目に紹介した、Sherry's Vinyl Zamalek店と同じビルの上にあります。

カイロで一番おいしい幻のエジプト定食:Fasahet Somaya

おはこんばんちは。

今日は、カイロで一番おいしいんだけれども、開店時間が異常に短い幻のエジプト料理屋、Fasahet Somaya(فسحة سمية)をご紹介します。

営業時間たった2時間の幻の店

Fasahet Someyaの入口

ダウンタウンにあり、地下鉄サダト駅から(がんばればナセル駅からも)歩いて行くことができる便利な場所にありながら、攻略できていなかったFasahet Somaya(فسحة سمية)。

Fasahet(فسحة)とは、アラビア語で小さなスペースという意味で、特にエジプトでは、お客さんを迎える場所を指すようです。Somayaさんの部屋、くらいの意味でしょうか。

ひとことで言うならば、エジプト家庭料理の定食屋。

ずっと噂は聞いていて、いつか行きたいと思っていたんですが、なんせ、なんと営業時間が17時〜19時までのたった2時間。しかも、並んでいて入れなかったり、売り切れたりしていることもあるらしく、できれば17時ぴたんこに行きたいお店。

そんなこんなで、なかなかタイミングが整わず逃していたんですが、先日ついに伺ってきました!!

カイロで一番おいしい定食屋さん

メニューは、日替わりで、メイン2種類、サラダ、サイド、ご飯の中から、アラカルトで選びます。メニューの内容は、事前に公式Facebookページに投稿されていることもあれば、されていないこともあります。

友人と訪れたので、それぞれメインとご飯を注文。その日のメインは、ビーフピカタとマスタードチキンでした

食べてびっくり、絶品です!!!ベースは、エジプト家庭料理でありつつも、西欧料理とのフュージョンといった趣き。日本の洋食のように、完全に西欧料理でもなく、かといって和食でもなく……という感じに近いです。日本人の舌にも馴染む味で、ペロッと平らげてしましました。

エジプト料理にありがちな、きつい香辛料や塩辛さはなく、エジプト料理で、初めて毎日食べてもいいという食事にありつきました。にっこり。

会計は、200〜300エジプト・ポンドくらいだったと思います(曖昧ですみません……)。

料理と店内の内装

観光の方向けの注

カイロ在住の身としては、めちゃくちゃありがたい店なんですが、そもそもゴリゴリの純エジプト料理ではないので、観光で来られた方にとっては、ちょっと優先順位の下がる店だと思います。

サービスのクオリティは、エジプトの並といった感じで、むしろ日本から来ると不親切に感じると思います。あしからず。まぁ、感じが悪いというほどではないです。

あと、レストランというよりは、定食屋という趣で、食ったら出るという感じの店なので、その点もご注意を。

基本情報(場所とか営業時間とか)

  • 営業時間:17:00〜19:00、土曜定休
  • 多分現金のみ
  • 住所:59 Al Falki, Bab Al Louq, Abdeen, Cairo

エジプトの豚肉と「ゴミの街」マンシェット・ナセル

皆さん御存知のとおり、ムスリムの皆さんって、豚肉食べないんですが、カイロでも養豚が行われているところがあります。それがマンシェット・ナセルです。しかし、この街は、通称「ゴミの街」としても知られています

今日は、そんな「ゴミの街」とコプト教徒の話です。

コプト正教会とは

御存知のとおり、エジプトは、アラブ国家ですし、イスラーム国家です。

が、その人口割合を見てみると、9割がイスラム教徒、1割がコプト教徒(キリスト教徒)。コプト教徒がマイノリティーであることは確かですが、十人に一人と考えると、意外に、他教徒の数が多い気もします。

コプト正教会とは、れっきとしたキリスト教の一派です。歴史的には、西暦451年のカルケドン公会議で分立し、以来、現在の主流派であるカルケドン派(カトリックやプロテスタントを擁する一派)とは袂を分かちましたが、古代教会の伝統を守っている歴史ある教派です。

例えば、酒類の製造は、コプト教徒の人々の独占産業ですし、コプト教徒は、イスラム教徒とは機微な緊張関係をはらみつつも、棲み分けつつ共存しています。

「ゴミの街」マンシェット・ナセル

ときに、マンシェット・ナセル(منشية ناصر)という地区が、カイロの東端にあります。「ゴミの街(Garbage City)」として知られており、その人口のほとんどは、コプト教徒。スラムであり、ゴミ処理と養豚を生業にしていることで知られています。

街の様子。至る所にゴミが積み上げられており、手作業で分別している。

カイロ中のゴミがここに運び込まれ、手作業で分別されていきます。聞くところによると、2000万人を数える大カイロ都市圏の約85%が、ここで処理され、そのうち8割程度がリサイクルされるとか*1*2

コプト教徒の知人は、「意外にごみ処理業は儲かる仕事で、マンシェット・ナセルに住む人は、貧しくはないのだ」と言っていましたが、果たしてどうでしょうか。街では、異常な数のハエがブンブンと飛び交い、異臭が立ち込めています

同地区では、ゴミを処理するとともに、集まった残飯を利用して、養豚が行われています(歴史的には、逆らしい。豚のエサのために、ゴミ回収が始まったそうな)。カイロの他の地区では決して見られない光景ですが、ブッチャーでは、豚が店頭にぶら下がっています。

エジプトでは、ゴミ収集を生業とする人たちは、「ザッバリーン(زبالين)」と呼ばれ、各地区を毎日巡回しては、ゴミを回収し、マンシェット・ナセルを含む処理拠点が集まる街に持ち込みます。

私は専門家でもないですし、カイロ在住歴も浅いのでなんとも言えませんが、ごみ処理が、少数教徒の独占産業というのは……。養豚を行っていることも相まって、被差別問題を抱えていると言われています。

日本語でも英語でも、マンシェット・ナセルについて調べると、リサイクルの街!サステナブル!とか、リサイクル率8割はすごい!とか、片面的に扱った記事を多く見かけますが、ちょっと慎重に考えるべきだと思っています。個人の感想ですが。

洞窟教会

さてはて、この地区には、「洞窟教会」と言われる教会があります。天然の岩肌に作られたもので、聖シモン教会を含め、大小いくつかの教会が点在しています。

この教会は、聖書に登場する、山を動かす奇跡を起こした「聖シモン」にちなんで名付けられたもので、1970年代に、ザッバリーンによって建設されました。

カイロ最大の教会として、マンシェット・ナセルのみならず、カイロ中の信仰者を集めています。

訪れる方向けの注)洞窟教会を個人で訪れる際は、Uberドライバーからマンシェット・ナセル行きを断られることがほとんどですので、街の外で降りて、流しのトゥクトゥクを捕まえて向かうことになると思います。距離としては歩くことも不可能ではありませんが、かなり途上国を旅慣れている人でなければおすすめしません。

ワゴン販売

エジプトは常夏(というより常真夏)と思いきや、実は結構激し目な季節の変化があるのを皆さんご存知でしょうか。そして季節の変わり目をワゴン販売の果物や野菜で知らされるエジプト住民は私だけではないはず。そこで今日は、皆さんが何を間違ったのかエジプトに迷い着いてしまった時にも、日本の土をいつか再び踏む日を夢見ながら時の経過を感じられるよう、季節ごとに変化するワゴン販売の一部を紹介したいと思います。

 

早速ですが、砂嵐吹き荒れる今この時期、登場するのがホオズキとそら豆です。ワゴン販売は八百屋やスーパーと同じようにキロ単位での販売になるので、「キーロー(1キロ)」「ヌスフ(500グラム)」「ルブウ(250グラム)」と言えば金額を言われます(「??」という顔をしていれば、英語で言ってくれると思います)。現金を渡すと、袋を「むっ」と突き出されるので、受け取って購入完了です。今回はお釣りが出ないよう、両方とも300グラムずつ、合わせて20ポンド分を購入しました。

ホオズキとそら豆

ホオズキとそら豆


ホオズキって食べられるんだ、とエジプトに来て初めて知りました。

皮を剥いたホオズキ

ホオズキの皮を剥くと中身はこんな感じ。プチトマトに近い見た目と食感ですが、味はトマトよりも少しクセがあります。なんと表現したら良いのか、独特の植物っぽい風味がします。サラダやヨーグルトのアクセントに良さそう。

そら豆のベッド

そら豆はこんな感じ。かなりちっこいです(小指の爪ぐらい)。でもちゃんとそら豆のベッドに入っていますね。日本だと皮を剥いて食べると思いますが、こちらは小さすぎて皮を剥くと無くなっちゃうんじゃないか、そら豆の10ポンドは何に払ったんだ?となってしまうので、私はこの中の皮は剥かずにそのまま頂きましたが、柔らかくて十分美味しかったです

 

ちなみにそら豆、エジプトではフールと呼ばれていて、茶色くなったそら豆をぐちゃぐちゃになるまで煮込んで潰したものが朝ご飯の定番料理です。このフール、ホテルの朝食ビュッフェでも必ずあるので、一度エジプトにいらっしゃったことのある方(のうち納豆みたいな匂いのする得体の知れないフールを試したことがある方)なら御存じかと思いますが、驚異的に腹持ちが良いです。ちょうど今ラマダン中で、私も先日断食前の食事(スフール、深夜1時ごろの食事)にエジプト人に連れられて行った時フールを食べましたところ、確かに午後まで全然お腹が空きませんでした!(夕方になってお腹が空いて、日が暮れる前にシャウェルマを頬張りましたが)

 

スフールの定番ラインナップ(赤白のお皿の上段、オイルまみれの豆がフールです)

 

続いてこちらはサボテン。サボテンは夏の果物です。皮を剥きやすいよう、購入時におっちゃんがナイフで切り込みを入れてくれます。基本的に無味無臭、食感はアロエ、水分補給感覚です。エジプト人は喉が渇いた時、水を買おうか、それともサボテンを買って夏の風情を感じようか、なんていう粋なことを考えているのでしょうかね?

夏の風物詩 サボテン

他にも、秋から冬にかけては、焼とうもろこしや焼き芋があちらこちらで美味しい香りを漂わせており、学校帰りと思しき若者たちがかぶりつく姿をよく見かけます。とうもろこしについては、みずみずしくて弾けるような実や、焦げ目が付いた何処か懐かしい味に香ばしさの追い討ちをかけてくる醤油といった、記憶の中の日本のとうもろこしの素晴らしさを教えてくれる、至ってシンプルな穀物という感じで美味しいです。焼き芋については、常にお口に入れる時はパンチを欲しているエジプト人は、これでもか、というほどチョコや砂糖をかけて甘くして食べています。私はそのまま頂きましたが、日本の冬に繰り広げられる「私は紅はるか派かな〜」「いやいや安納芋でしょ〜」といった他愛のない(?)会話がいかに高度であったかを思い知らされる、これまた素朴なお味となっております。ワゴンの上に石焼き芋器?のような石のオーブンを乗せてもくもく焼いているので、おうちで調理するよりもホクホクと美味しいです

ちなみにとうもろこしや焼き芋は、焼く前の状態でも購入可なので、エジプト人ママが大量に購入する姿もよく見かけます。スーパーで買うよりも消費の回転が早いので、新鮮な気がします。

とうもろこしとおっちゃん

ちなみに、もはやここまで来ると何処からがワゴン販売で何処からが八百屋なのか分かりませんが、フリーマーケットのように道端にシートを敷いて葉物野菜を販売している人や、「そこまで綺麗に並べられたら崩せないよ〜買えないよ〜」と思ってしまうほど美しいみかんピラミッドを乗せている人、はたまた、重たい金属のたるを担いでジュースを売る人や、「fフーーールッ!!!!」と高層階にも届く大声でそら豆の煮ものを売る人など、様々です。

 

皆さんも、もし気づいたらエジプトにいた!という場合は、是非ワゴンからの食材購入に挑戦してみてください。何か新たな気づきがあるかも。。。?

 

(文:はと)

 

 

エジプトで魚を買う①:「ブリ(鰤ではない)」

さて、今回は、カイロで魚を買う話です。

そもそも論として、カイロでは、魚は滅多と食べられません。アレキサンドリアやポートサイード、スエズなど地中海や紅海沿いの街では、魚介料理も多いですが、カイロの料理は、ほとんどが肉か炭水化物。スークに行ったり、スーパーに顔を出したりしても、そもそも生の魚介を扱っているところ自体があまりありません。

なんですが、やっぱり日本人として、魚なしでは生きていけませんよね。ということで、ザマーレク地区唯一の鮮魚店で、自炊用に魚を買ってみることにしました。

今回買った店

カイロでは、あんまり鮮魚店って見かけないので、ずっと通りかかるたびに気になっていた店。なんとなく、夏は衛生的な問題が心配な気がして避けていたんですが、冬になったので、買ってみることに。

26th July通りに面した、「اسماك الجمهورية(共和国の魚……??)」という店。同じ名前で、魚料理を売っている方の店舗と、生魚を売ってる方の店舗がありますが、生魚を売ってるのは、このロケーションのあたり。

今回始めてマジマジと並んでいる魚を見ましたが、しっかり氷で保冷されてるし、全体的に鮮度も抜群ではないものの、許せるレベルな感じがしました。とはいっても、私も魚の目利きのプロではないので、精々、目の濁りをチェックした程度ですが……。

まあ、結局、買うにあたっての一番の問題は、見たこと魚がいっぱいならんでいて、どの魚がなんの種類がわからないことですね。

とりあえず、今回は1種類だけ買いましたが、定期的に通っては少しずつ挑戦し、一種類ずつ明らかにしていきたいと思います。

今回買った魚

今回買ったのは、「ブリ」と呼ばれている魚です(鰤ではない)。

買ってきた「ブリ」

正直、とりあえず魚屋に行ってみたものの、全然知らない形のやつばっかり並んでるし、そもそもアラビア語で魚の種類なんてわかるわけもなく……。とりあえず、店主のおっちゃんのおすすめを買いました。お値段1匹で100ポンドほど。

帰ってから色々調べていると、アラビア語では、「بوري」で、要するに日本語でいうボラのことのようです。エジプトでは、ティラピアと並んで、魚介類の中では比較的よく食べられるらしい。

釣りをしない人は、ボラを食べる機会ってないんじゃないかなと思うんですが、川にも住んでるし、比較的沿岸に近い海にも住んでいる魚です。プランクトンを泥ごと食べて生活している魚なので、水質が悪いと結構匂いが気になるらしい。海で採れたボラなら比較的匂いはマシな傾向との噂。

さてはて、当然どこで採れたかなんてわかりませんし、ナイル川の水質はお世辞にも良いとは言えないので、めちゃくちゃに不安になってきました。

捌く

オーダーしたら、魚屋で捌いてくれたのかもしれませんが、まあ衛生的かどうかもよくわかりませんし、家で捌くことに。

ボラを捌くのは初めてなので、困ったなと思ってると、これぞまさにドンピシャのYouTube動画があるじゃあないですか。この時代、本当に便利になりましたよね。

特に気をつけるようなこともなんにもありませんが、最近、誤って包丁で手を切ってしまい、ふた針縫ったばかりなので、慎重に作業をしました。

おろし方は、3枚にしました。

調理・実食

ボラ系は、加熱するとふっくらすると、どこかのサイトに書いてあった気がしたので、とりあえず煮付けにすることに。

匂いが心配でならないので、しっかり目に霜降り。あと、エジプトでは高級品の生姜もふんだんに使います。

捌き方が下手くそで、アラが結構でてしまったので、一緒にアラ汁も作りました。

完成した「ブリ」の煮付け

味は、まあ食べてやらんこともないという感じ。川魚的な魚の生臭さが若干残っているものの、まあそういうものとして食べたら許せるレベルです。

もし川魚が得意でない場合は、避けたほうが無難かも。あとは、物理的に、身が結構薄かったですね……。脂はそれなりにのっていました。

うーーーーん、リピートするかと言われると、ちょっと迷うところ。とりあえず次回は、違うやつにチャレンジしてみます。

(文:まつてと)

海外で日本酒を自家醸造するぞ奮闘記〜その②:気になるお味は??

さて、急に途上国勤務になったにもかかわらず、日本酒が飲みたくて仕方がないまつてと。飲酒欲がまさって発狂してしまう前に、自家醸造しようと思い立ったのでした……。

前回、米麹が完成し、ついに日本酒を仕込むことになりました。

▼前回の記事▼

注意・免責:日本国内で度数1%以上の酒類を製造することは、違法です(私は海外赴任中に醸造しました)。また、海外では自家醸造が合法の国が多いものの、法規制についてはご自身でご確認ください。あと、当然ですが、発酵商品なので、失敗して食中毒……とかも気をつけてくださいね。

今回必要なもの

さて、ここで、日本酒を仕込むのに必要なものをおさらいしておきます。

  • 米麹「こめにゃん」:前回の記事で作ったもの。「こめにゃん」と名前をつけて、二日二晩大切に育てた
  • 米(ジャポニカ米):今回もまた、生米が必要です。
  • おいしい水:どうやら、日本酒は、水で味が決まるらしい。まぁ、そもそも途上国で作ろうってんですから、どだい上等な水なんて手に入らないんですけどね。まあ、水道水だけは避けましょう。
  • ドライイースト:日本酒は、米麹菌と酵母菌で米を二重(同時)発酵させてつくる商品ですが、日本酒酵母は、入手困難。その時に代わりになるのが、ドライイースト。パン作るときのやつでOKです。
    ※アメリカでは、日本酒酵母が手に入るらしいです(Sake Yeastで検索)。また、酒粕から抽出する方法もあるらしいです。
  • 乳酸菌が生きてそうなプレーンのヨーグルト:ヨーグルトに含まれる乳酸菌が、腐造を防いでくれます。ヨーグルトをそのままぶっこめばOKだが、乳酸菌顆粒や、ヨーグルトの種菌ならより良いらしい。

必要な器具

  • 大きめの鍋複数
  • 完成品を入れる容器(炭酸入れても大丈夫なやつ)
  • 温度計
  • 混ぜるやつ
  • ざる
  • 【あれば便利】漏斗
  • 根気(一番重要)

作業の流れ

前回、米麹を作りましたが、ここまでくれば、あとは混ぜて、放置して、濾して完成。

  1. 再び米を超固めに炊く。
  2. 全部混ぜる。
  3. 一日一回かき混ぜながら見守る。
  4. 濾して、残りカスもめちゃくちゃ絞る。
  5. もう1日だけ待つ。
  6. 完成。

①再び米を超固めに炊く。

再びです。今回は分量を3合にするだけです。以下、前回記事からほぼコピペ。

目標は、「芯が残らない程度にギリギリまで水分量を減らしたご飯」。本当は、蒸した方が、炊きあがりのご飯に含まれる水分量を更に減らすことができ、より適したご飯になるのですが、水少なめ炊飯法でも十分。

今回は、米3合、水420ccでやりました。倍量にする分には問題ありませんが、これより減らす場合は注意が必要です。ロットが少なすぎると、もしかするとうまく発酵しない可能性があります

水の量を、通常の炊飯の60〜70%くらいにするだけで、あとは普通。炊飯前にしっかり研いで、しっかり浸水させて、炊きあがったらしっかり蒸らしましょう。私はいつも鍋で米を炊いており、火加減の調節に自信がないので、

水は米1合(180g)に対して「通常炊飯の目安:米の容積×1.2倍」の65%の水×3合分
=180×1.2×0.65×3≒420cc

で計算しました。炊飯器をお持ちの方なら、60%とか、さらにもっと少量でもいけると思います。ただし、減らしすぎると、うまく火が通らず芯が残ります。気をつけて。

②全部混ぜる

炊きあがったご飯に、1.5Lの水をぶち込みます。熱いご飯に米麹とかイーストとか入れると、菌が死滅するので、先に水を入れること

あとは、作った米麹300g(ほぐして入れよう!)、イースト少々(5〜8gくらい)、ヨーグルト1さじを、消毒済みのでっかい容器に入れて、完璧に混ざり切るまで混ぜまくります。

混ざったら、密閉されないようにふわっと蓋をしておきます。

全部混ぜた様子。

③一日一回かき混ぜながら見守る

20℃〜30℃くらいに保ち、一日一回かき混ぜながら様子を見守ります。20℃で7~10日、温度が高いと3~5日で完成らしい。様子を見ながら、発酵しきるのを待ちましょう。

ちなみに、当然今回も名前を付けることになり、例の友人が「みきそん」と命名してくれました。混ぜてるから「みきそん」……あまりに安易すぎて、友人の思考回路が心配になります。

④濾して、残りカスもめちゃくちゃ絞る

さて、今、この米のカスとかが浮いている状態が「どぶろく」です。これを濾します。

ザルの上に、清潔な布巾か不織布(私は、煮沸消毒しました)を敷き、全部濾します。容器に残ったカスも、すべて布巾に空けきってください。

で、コーヒーみたいに時間が経てば、液体は全部流れ落ちるかというと、残念ながらめちゃくちゃ時間をかけても、自重では完璧には落ちていきません。仕方がないので、布巾を閉じて絞ります

これ、めちゃくちゃ力入れても、人力では全然絞れないんですよね。酒蔵では、機械を使って絞るそう。ガッデム。がんばろう。
※酒蔵での製造では、「荒走」とか「中汲」とか「責め」とかなんとか、絞るフェーズにもこだわっています。が、今回は、別に大吟醸でもなければ、ただの簡易式の日本酒醸造なので、歩留まりは多いほうがいい。ということで、できる限り絞ります。

ちなみに、こうして布巾に残った謎のカスこそが、酒粕です。粕汁とか甘酒にして早めに使い切りましょう。残ったら冷凍もできるらしい。

使い道がありそうで限られてる酒粕。

⑤もう1日だけ待つ

絞りきった汁が、即ち日本酒なんですが、瓶とかに詰めたあと、もう半日だけ常温で寝かせ、瓶内発酵させます。発酵の作用で、炭酸とか出るので、密閉しても炭酸で爆発しない容器にしましょう。

半日経ったら、あとは冷蔵保管しましょう。

最初は日本酒っぽくないですが、段々と濁りがおりてきて、若干黄色がかった日本酒になります。

⑥完成

完成しましたね。手作りで、工場と比べ、消毒も完璧ではないと思いますので、早めに飲み切りましょう

完成品の様子。写真が下手すぎて、10年前にコンデジで撮った写真みたいです。

気になるお味

今回初めて作ったんですが、結論から言うと、いまいちですね。アルコール度数は十分なんですが、味は、感じでいうと、鬼殺しを更に水で割ったみたいな味。そもそも精米度合いも純米ですし、なんたってイースト菌ですしね。

ただ、温度管理とかをもっと見直せば、まだまだ改善の余地はありそうです。結構しんどかったので、今度作るのは、またあったかくなった時期になると思いますが、また新発見があれば、みなさんにご報告します。

今回参考にさせていただいた先人の方々

担当:まつてと