ほこり日誌

エジプトは、漢字で「埃及」と書きます。

エジプトで魚を買う①:「ブリ(鰤ではない)」

さて、今回は、カイロで魚を買う話です。

そもそも論として、カイロでは、魚は滅多と食べられません。アレキサンドリアやポートサイード、スエズなど地中海や紅海沿いの街では、魚介料理も多いですが、カイロの料理は、ほとんどが肉か炭水化物。スークに行ったり、スーパーに顔を出したりしても、そもそも生の魚介を扱っているところ自体があまりありません。

なんですが、やっぱり日本人として、魚なしでは生きていけませんよね。ということで、ザマーレク地区唯一の鮮魚店で、自炊用に魚を買ってみることにしました。

今回買った店

カイロでは、あんまり鮮魚店って見かけないので、ずっと通りかかるたびに気になっていた店。なんとなく、夏は衛生的な問題が心配な気がして避けていたんですが、冬になったので、買ってみることに。

26th July通りに面した、「اسماك الجمهورية(共和国の魚……??)」という店。同じ名前で、魚料理を売っている方の店舗と、生魚を売ってる方の店舗がありますが、生魚を売ってるのは、このロケーションのあたり。

今回始めてマジマジと並んでいる魚を見ましたが、しっかり氷で保冷されてるし、全体的に鮮度も抜群ではないものの、許せるレベルな感じがしました。とはいっても、私も魚の目利きのプロではないので、精々、目の濁りをチェックした程度ですが……。

まあ、結局、買うにあたっての一番の問題は、見たこと魚がいっぱいならんでいて、どの魚がなんの種類がわからないことですね。

とりあえず、今回は1種類だけ買いましたが、定期的に通っては少しずつ挑戦し、一種類ずつ明らかにしていきたいと思います。

今回買った魚

今回買ったのは、「ブリ」と呼ばれている魚です(鰤ではない)。

買ってきた「ブリ」

正直、とりあえず魚屋に行ってみたものの、全然知らない形のやつばっかり並んでるし、そもそもアラビア語で魚の種類なんてわかるわけもなく……。とりあえず、店主のおっちゃんのおすすめを買いました。お値段1匹で100ポンドほど。

帰ってから色々調べていると、アラビア語では、「بوري」で、要するに日本語でいうボラのことのようです。エジプトでは、ティラピアと並んで、魚介類の中では比較的よく食べられるらしい。

釣りをしない人は、ボラを食べる機会ってないんじゃないかなと思うんですが、川にも住んでるし、比較的沿岸に近い海にも住んでいる魚です。プランクトンを泥ごと食べて生活している魚なので、水質が悪いと結構匂いが気になるらしい。海で採れたボラなら比較的匂いはマシな傾向との噂。

さてはて、当然どこで採れたかなんてわかりませんし、ナイル川の水質はお世辞にも良いとは言えないので、めちゃくちゃに不安になってきました。

捌く

オーダーしたら、魚屋で捌いてくれたのかもしれませんが、まあ衛生的かどうかもよくわかりませんし、家で捌くことに。

ボラを捌くのは初めてなので、困ったなと思ってると、これぞまさにドンピシャのYouTube動画があるじゃあないですか。この時代、本当に便利になりましたよね。

特に気をつけるようなこともなんにもありませんが、最近、誤って包丁で手を切ってしまい、ふた針縫ったばかりなので、慎重に作業をしました。

おろし方は、3枚にしました。

調理・実食

ボラ系は、加熱するとふっくらすると、どこかのサイトに書いてあった気がしたので、とりあえず煮付けにすることに。

匂いが心配でならないので、しっかり目に霜降り。あと、エジプトでは高級品の生姜もふんだんに使います。

捌き方が下手くそで、アラが結構でてしまったので、一緒にアラ汁も作りました。

完成した「ブリ」の煮付け

味は、まあ食べてやらんこともないという感じ。川魚的な魚の生臭さが若干残っているものの、まあそういうものとして食べたら許せるレベルです。

もし川魚が得意でない場合は、避けたほうが無難かも。あとは、物理的に、身が結構薄かったですね……。脂はそれなりにのっていました。

うーーーーん、リピートするかと言われると、ちょっと迷うところ。とりあえず次回は、違うやつにチャレンジしてみます。

(文:まつてと)